運とツキ:それでも地球は回る

先日、月刊誌『致知』の3月号が届いたので、サッと目を通しました。
アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス著『Good Luck』今月号の特集は「運とツキの法則」。
ちょうど数日前からこのブログの過去記事を読み返していたところで、偶然にも半年ほど前に投稿した記事「幸運への下ごしらえ」を読んだ直後に致知を手にしたので、今回のお題は「運とツキ:それでも地球は回る」にすることにしました。

前回投稿した記事の内容は、『Good Luck』という書籍の紹介と「運と幸運の違い」のお話です。

この投稿に出てくる「幸運」という言葉は、まさしく「ツキ」のことです。

致知3月号のクレディセゾン社長の林野宏氏とサンリ会長の西田文郎氏の対談の中から少し抜粋してみます。

西田 私は「運」と「ツキ」は異なるものだと思っているんです。

林野 どのように違うのですか。

西田 「ツキ」というのは、チャンスをつかむ能力ではないかなと。思いがけないラッキーが訪れて、それを活かした時に「ツイていた」という言葉を使うと思います。

しかし、例えば一代で会社を起こし、成功された方などは「自分がここまでこられたのは、ツイていたからだ」とは言いませんよね。「自分には運があったからだ」と言うと思うんです。

それはなぜか。これは若い頃に人生の師から教わったことなのですが、「苦しみを克服した人にしか“運”はないんだ」と。

一代で大きなことを成し遂げた人は、自分の努力ではどうしようもない様々な逆境、ピンチを潜り抜けてきています。その時、初めて「運」というものを体験するのだと思うのです。

 

幸運やツキは掴み取るものであって、棚からぼた餅式に落ちてくるものではないし、不平や不満を口にしながら、ただぼうっと上や下を向いて待っていてもダメだよというお話です。

農場の法則と一緒で、畑を耕さない、種も蒔かない、雑草取りもしないのに、豊かな実りを収穫できるわけがないですよね。

「ツイてる!」で有名な斎藤一人氏は、どんな状況にあっても、敢えて「ツイてる!ツイてる!」と口に出せと言います。
言葉で肯定的なことを敢えて言うことで、自分の耳にも入ってくるし、心をプラスの方向に向かせてくれます。
心がプラスの方向に向くと、行動もそれに伴ってきます。

そうなると、良いスパイラルが起こるようになるというわけです。

日頃の習慣で、肯定的な言葉を話したり、行動するということはとっても重要です。

同書から、興味深い例を引用してみます。

新潮社を創業した佐藤義亮(ぎりょう)氏に、浅草で商いを手広く営む知人があった。ある晩、その人の店が全焼した。翌日、佐藤氏が見舞いに駆けつけると、なんと、知人は酒盛りをして騒いでいるではないか。気が触れたか、とあきれる佐藤氏に、知人は朗らかにいった。

「自棄(やけ)になってこんな真似をしているのではないから、心配しないでください。私は毎日毎日の出来事はみな試験天の試験だと覚悟しているので、何があっても不平不満は起こさないことに決めいています。今度はご覧のような丸焼けで、一つ間違えば乞食になるところです。しかし、これが試験だと思うと、元気が体中から湧いてきます。この大きな試験にパスする決心で前祝いをやっているのです。あなたもぜひ一緒に呑んでください」

その凄まじい面貌は男を惚れさせずにはいない、と佐藤氏は言っている。知人は間もなく、以前に勝る勢いで店を盛り返したという。

 

上記引用文に出てくる、佐藤義亮氏の知人は、自宅が全焼して灰と化してしまっても、「自分はツイてない」とか「運が悪い」とは思わないし、言わないところがミソだと思うのです。

それどころか、前祝いをするというのですから、前途は暗いわけがありません。
まさに今の時点がどん底で、あとは上がっていくしかないというシチュエーション。

今現在の気の持ちようで、未来はいくらでも変わってくるということですね。

日々、目の前で起きる出来事に「ツイてる」とか「運がなかったんだ」などと一喜一憂しながら歩みがちですが、遠く銀河系の外から眺めてみたら、地球という小さな星の小さなコミュニティでの出来事。

それでも地球は回り、宇宙は広がる。

おおらかに、おおらかに!
(自戒、自戒)

そんな感じです。

※参考のために林野氏と西田氏の略歴を記します。

林野宏(りんの・ひろし)──昭和17年京都府生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店入社。人事部、企画室、営業企画室を経て、同百貨店宇都宮店次長。57年西武クレジット(現・クレディセゾン)に、クレジット本部営業企画部長として転籍し、平成12年より現職。著書に『勝つ人の考え方 負ける人の考え方』(かんき出版)がある。

 

西田文郎(にしだ・ふみお)──昭和24年東京都生まれ。40年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、能力開発プログラムを構築。科学的、実践的なメンタルマネジメントを他分野に導入する。現在経営者の勉強会である「西田塾」主宰。トップスポーツマンの能力開発指導などに当たる。著書に『10人の法則』(現代書林)など多数。

 


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3 thoughts on “運とツキ:それでも地球は回る

  1. さな兄さん、眠る前にこちらのブログでいいメッセージを受け取ることができて、私「ついてる、ついてる♪」。

    私って何か起こると「これには意味があるんだー」と分析してしまうのですが、分析の末に煮詰まってしまうことが多々あります。

    何か意味があると分析することは必ずしも悪いことではないでしょうが、この佐藤義亮氏の知人の方のように、おおらかに、おおらかに眺めてできることからはじめればいいですよね。

    とりあえず、前祝いから!でしょうかね(笑)そこから真似したいな!

    私の稚拙なブログにコメントありがとうございました。
    replyつけさせていただきました。

    1. リエさん、コメントありがとうございます。

      私も昔、何かの出来事(特に悪いことや辛いこと)があった時に、同じように「これには意味があるんだー」と分析してたような気がします。
      でも、どう意味があるのかなんて、その時点では答えが出ないことが多いんですよね。
      結局は、「なにしろ意味がある!」と自分に言い聞かせてました(笑)

      そうこうしているうちに、人の一生は一滴の雨水のようなもので、地上に降りてきた後、滝や激流、大河を経ながらも、最終的には大海に辿り着くんだなと考えるようになり、瞬間瞬間に起きてくる出来事を受け容れることができるようになったんです。

      とか言いながら、日々の出来事に、まだまだ一喜一憂してしまう自分がいるんですけどね。
      ま、それも良しかなと。

      今回のブログのタイトルにもありますが、何か自分の許容量を超えるような出来事があった時、「それでも地球は回る」っていつもつぶやいてます。

      目の件は、ブログだけではわからない辛い思いがあったと思います。
      でもそれを乗り越えたようなので、前祝いと言うよりは、祝勝会とか快気祝いというのでいいのではないでしょうか(笑)

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