最近読んだ本で『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』というのがありました。
いわゆるミニブログ・ツイッターで誰かがつぶやいていた「逆説の10カ条」という言葉をたどっていったらこの本にぶつかったのです。
この本自体は2002年に出版されていますし、「逆説の10カ条」はいくつかのブログやサイトで取り上げられており、ご存じの方も多いかも知れません。
さて、
「逆説の10カ条」は、当時(1968年)大学生だった著者ケント・M・キースが、高校生向けの小冊子に記したものでした。
この10カ条は、著者本人の実体験と観察からできあがっているので、真実性があり、しかも大変人間的な言葉としてすーっと私の中に入ってきました。
さらに興味深いのは、
著者自身はこれを記したあと、25年間「逆説の10カ条」について耳にしなかったのが、思わぬところで出会っていくというのです。
本人の知らないうちにくちコミやインターネットでどんどん広がり、極めつけは、マザーテレサについて書かれた本の中にもこの言葉が紹介されていたというのです。
さすがに著者本人も「背筋がぞくぞくしました」と記しています。
「言葉」って不思議ですね。
特に良い言葉は、そこに愛情とエネルギーを蓄えながら、まるでそれが生きているかのように、どんどん一人歩きをして世界中を駆け巡っていたのです。
そして、こうして私の手元にも巡り巡って来たわけです。
以下に、「逆説の10カ条」を記します。
逆説の10カ条
1.人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
それでもなお、人を愛しなさい。
2.何か良いことをすれば、
隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。
3.成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
それでもなお、成功しなさい。
4.今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。
5.正直で素直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
6.最大の考えをもった最も大きな男女は、
最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。
それでもなお、大きな考えをもちなさい。
7.人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。
それでもなお、弱者のために戦いなさい。
8.何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築きあげなさい。
9.人が本当に助けを必要としていても、
実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。
10.世界のために最善を尽くしても、
その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。
この10カ条に関しては、私なんぞが何の説明をする必要もありません。
文章そのものが真実性を帯びており、愛情に充ち満ちあふれています。
自分の意志で始めたことがつぶされかけ、挫折しそうになったとき、
周囲の目や声、他人の評価が気になって、一歩も前に進めなくなったとき、
正しいと思ってやっていることが、否定されそうになったとき、
人間関係に嫌気がさし、逃げ出しそうになったとき、
そんなとき、何度も何度も読み返しながら乗り越えていくことができるほどのパワーを持った言葉です。
「逆説の10カ条」の解説は本人が記した、
『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10カ条』
を読んでみることをお勧めします。
著者の正直さ、純粋さ、そして優しさに触れながら10カ条一つひとつを噛みしめることができるはずです。
さて、本書には、
この10カ条を受け入れることができれば、あなたは自由の身になるでしょう。この世界の狂気から自由になるということです。逆説の10カ条はあなた個人の独立宣言といってよいかもしれません。壁に貼って、あなたが自由であることを思い出すためのよすがにしてください。これから死ぬまでのあいだ、正しいと思うこと、良いと思うこと、真実であると思うことを、あなたにとってそれは意味があるというただそれだけの理由で、実行することは可能です。
という一節があります。
ここで重要なことは、最終的に自分の部屋の壁に貼るのは、この「逆説の10カ条」ではないということです。
ある一定期間、いつもこの言葉を財布の中に偲ばせ、毎日毎日読み返しながら、心に刻み込んでいくことは素晴らしいことですし、私も自分の手帳に入れてあります。
しかし、この「逆説の10カ条」自体は、ケント・M・キース少年(当時)の10カ条です。
彼の実体験や観察から生み出されたものです。
自分には自分の10カ条や信条、あるいはミッションステートメントがあるはずなのです。
人によって価値観は違います。国によってもそうです。その文化や歴史が違うからです。
ですから、憲法や法律は国によって違ってくるものなのです。
人の心は成長していきます。
以前の投稿「守破離の思想」でも書きましたが、、
ある一定期間は師匠のいうことを型どおり守っていきますが、自分の個性に合ったものに自由にアレンジして、自分の型を築いていくことができるのです。
こういう素晴らしい言葉に出会うと、素晴らしい師匠に出会ったような気になるのは私だけではないと思います。
良い言葉をどんどん吸収して、「自分」という型をこしらえていきたいものですね。
自分自身の「良いとこ取りの人生哲学」をプロデュースしていきましょう!
おまけ
「逆説の10カ条」の原文(英語)です。
Anyway:The Paradoxical Commandments:
Finding Personal Meaning In a Crazy World
by Dr. Kent M. Keith
1.People are illogical, unreasonable, and self-centered.
Love them anyway.
2.If you do good, people will accuse you of selfish ulterior motives.
Do good anyway.
3.If you are successful, you will win false friends and true enemies.
Succeed anyway.
4.The good you do today will be forgotten tomorrow.
Do good anyway.
5.Honesty and frankness make you vulnerable.
Be honest and frank anyway.
6.The biggest men and women with the biggest ideas can be shot down
by the smallest men and women with the smallest minds.
Think big anyway.
7.People favor underdogs but follow only top dogs.
Fight for a few underdogs anyway.
8.What you spend years building may be destroyed overnight.
Build anyway.
9.People really need help but may attack you if you do help them.
Help people anyway.
10.Give the world the best you have and you’ll get kicked in the teeth.
Give the world the best you have anyway.
英語で見るともっとシンプルで、また良いですね。
この10か条の中の一つでも、やり続けているなと思えるものがあったら、それだけでも人生が、私自身が変わっているのだろうなと思いました。
先日、うつで一日の大半を寝て過ごしている方が「体が動かん、動かんのやわ・・・」と言うので咄嗟に「動かんのじゃなくて動かさないんだよ!体は十分動く」と言い返しました。うつの人にひどいこと言うなぁと思わないで・・・毎回こういう言葉のキャッチボールで気持ちをほぐしてからリハビリします(^^)
その日の帰り道、「できん、できやんのやわ・・」といつも無意識のうちに自分で決めている私に気がついて「できんのじゃなくてしようとしないんだよ!おまえはできる」と自分に言ってました。無意識のうちに何となく自分で作ってしまっている枠、これを破らないといけないんですよね。
>この10か条の中の一つでも、やり続けているなと思えるものがあったら、それだけでも人生が、私自身が変わっているのだろうなと思いました。
激しく同意です。
これからでも遅くないと言い聞かせておる日々です。
今、自分の周辺にいる人たちって、自分を映し出す鏡だったりするんですよね。
「この人、何じゃろか!」と思ったりしても、自分を客観的にみてみたら、同じ事をしてたりするんです。
また、そんな自分自身をも、それでも愛しなさいってことなんでしょうね。(^^)
さなG、私はこのblogを読み落としていたのね。
今読んでいることに‥とっても意味があるのでしょうけれど^^
「10カ条」は今の私にストレートに飛び込んできます。それ以上にさなGのblogも心を動かす文章☆
涙があふれて、小さな力が湧いてきた感じがします。
かおるさん、この記事自体は今からちょうど2年ほど前、つまりTwitterを始めて間もない頃に書いたものです。
「人生の意味を見つけるための逆説の10カ条」は心に何かある度に読み返しています。
言葉の力って大きいですね。
そこには魂があり愛が乗っかってるから^^
かおるさんのコメント読んで、私もジーンとなりました。
ありがとうございます。