なぜサナギなのか?
サナギの意味には、二つあります。
一つ目は、サナギそのものの特徴。
二つ目は、「s・a・n・a・g・i」というスペルです。
まずは、一つ目
昆虫の幼虫は、成虫に変態するときに一時的に「サナギ」(蛹)になります。
「サナギの不思議!」でも紹介しましたが、サナギってホントに不思議です。
まず、親である成虫から卵として生み落とされます。
卵からかえったイモムシは、自分の意志で葉っぱをかじり、地を這う生活をしながら成長していきます。
そして、いつぞやか、また卵に戻ります。それがサナギです。
そこで劇的な変化が第二の卵であるサナギの中で起きています。
全ての組織を作り変えながら、全く新しい自分を生み出しているのです。
あんなちっちゃな生き物が自分で自分を生み変えるというワザをやってのけるのです!
私たち人間が、物理的にサナギになったり、羽が生えることはありませんが、実は、その思考方法やライフスタイル、性格、運命さえもガラッと変えることができるのです。
「人間は二度生まれる」でも書きましたが、自分の出生に関しては誰にも頼んだ覚えはありません。
自分が望む望まないにかかわらず生まれてきたということです。
でも、だからと言って、親や他人の人生ではありません。
「私の人生」なのです。
さて、
二つ目は、「s・a・n・a・g・i」というスペル
この、「s・a・n・a・g・i」は人間の成長のフローも表しています。
【自覚】s:self-awareness
【受容】a:acceptance
【習慣】n:new habits
【実行】a:action
【成長】g:growth
【自立】i:independence
想像(Imagination)編
自分を知ること
すべては自分を知ることから始まります。
他人のことは観察や分析ができても、自分のことはけっこうわからないものです。
何がほしいのか?
何がしたいのか?
どういう人になりたいのか?
どう豊かになりたいのか?
といったことは、ぼやーっとわかっていても、具体的に突っ込まれると、はたと考え込んでしまうものです。
自分をじっくり見つめていくことと、素直に人の言うことに耳を傾けるということにより、自分を知ることができます。
自分を受け容れること
自覚した後、自分とその環境すべてを受け容れるという段階に入ります。
自分自身を受け容れられない状態で、他者を受け容れるのは難しいし、そのまま次に進もうとすると、必ず壁にぶち当たります。
長続きしない自分、優柔不断な自分、弱い自分、そのままの自分をしっかりと抱きしめ、すべてを受け容れ、そして感謝する。
これがあってはじめてなりたい自分を描き、前へ進んでいくことができるのです。
自分を変えること
自覚、受容ときて、次は習慣。
私たちの日々の思考や行動は、小さい頃からの条件づけや教育などによってすり込まれてきた習慣によってなされています。
理想とする自分に生まれ変わっていくためには、今までの悪しき習慣を見つけ出し、排除しながら、新しい習慣を身につけるための努力をしなければなりません。
何が悪しき習慣で、どのような習慣を身につけていくべきかは、自分自身が一番よくわかっているはずです。
創造(Creation)編
自分を動かすこと
想像(Imagination)編の価値観や目標、ミッション・ステートメントが自分自身の憲法やコンパス、設計図となるので、それを元にいよいよ創造(Creation)編へと進みます。
古い習慣を捨て、新しい習慣を身につけるためには、自分を律して何度も同じことを繰り返さなければなりません。
これは、ただひたすらに実行あるのみです。
目的意識を持ってやってみれば、習慣は意外と身につくものだということがわかります。
長期目標、1年、1ヶ月、1週間と落とし込んで行くことで、実行する内容がより具体的になります。
朝起きるのを1時間早めるだけで、人生は大きく変わるものです。
自分を生かすこと
例えば、野球をしていても、ミスをすることもあれば、大活躍することもあります。
自分のミスでチームのみんなに迷惑かけて落ち込んだり、逆にホームランをかっ飛ばして大喜びしたり、、
失敗と成功を重ねながら人は成長していくものです。
日々生活していく中で、自分で立てた目標や計画では不備な点が出てきたり、修正した方が良いことがあります。
そういうときには思い切って軌道修正すれば良いのです。
逃げても良いのです。
なんでも最初から完璧な計画なんてないですよね。
自分を解き放つこと
人間の成長を見てみると、最初は完全な依存状態で生まれて来て、時を経ながら、肉体的、知的、経済的、精神的に自立していくようになっています。
親やお金、友人、物質、敵、組織などに依存したり執着していては、いつまでたってもそこから抜け出すことができません。
自立とは、何かに依存していた私自身を、主体的に解放してあげることなのです。
そして、この自立という土台の上に人間関係を成り立たせることによって、よりよい社会が実現して行くに違いないのです。
ところで、上記6つの項目にはすべて「自分を…」という言葉があります。
s【自覚】:自分を知ること
a【受容】:自分を受け容れること
n【習慣】:自分を変えること
a【実行】:自分を動かすこと
g【成長】:自分を生かすこと
i【自立】:自分を解き放つこと
この言葉の主語はすべて「私」です。
ひっくるめて言うと、私が私自身を主体性を発揮しながら育てるということです。
サナギ(sanagi)は人の成長の過程であり、その姿なのです。