母からもらった贈り物(Gift)

昨日は四国の田舎でも20℃を越えるくらいの温かさで、吹く風も花の香りがする、そんな陽気でした。
東京も春一番が吹いたようですね。

でも、この時期が一番気温差が激しいとき、今朝なんかは4℃まで冷え込んでいました。
体調管理に注意したいものです。

さて、今日のタイトルは「母からもらった贈り物(Gift)」

「贈り物(Gift)」と言っても、物ではありません。

そのもらったものが判明したのは20歳の時。
暗黒の浪人時代」でお話しした自然気胸という病気で手術したときでした。

手術前はその適合性などを見るために細かい血液検査をしますが、その時に先生から、「○○くん、ちょっとお話ししたいことがある。今回の自然気胸とは直接関係がないんだけどね。。」とのことで、呼び出されたのです。
で、告げられたのが、「B型肝炎のキャリア(保菌者)」だということでした。

タイミングとしては、
浪人中で、しかも共通一次試験の直前。
胸には激痛が走るし、呼吸はできないし、初めての手術の前だし!
という、最悪のシチュエーションでした。

谷底に落とされた心境の中で、
もっと下に行けってか!
という思いでした。

その時は、世界中の苦労を独りで背負ってしまったみたいな感覚になったりもしました。

どんな病気か、とても気になったので、看護師さんや先生にたくさん質問をしました。
でも、考えてみれば、キャリア(保菌者)ということは、まだ発病しているわけではありません。

まずは目の前の手術と受験に集中!
って言い聞かせながらの数日間だったと思います。

とか言いながらも、そのB型肝炎ウイルスはどう感染したのか?
という疑問がよぎります。

先生曰く「母子感染」だそうです。

私が中学生のときに、母が肝炎で入院したことがあります。
どうやら私が母の産道を通ってこの世に生を受けるときに、その血を受け継いだようです。
私自身、5人兄弟の一番上ですが、その他の4人の兄弟たちには感染していないとのこと。

母はその時に完治しており、今はとても元気です。

そんなこんなで、肝炎とのお付き合いが始まりました。

まだ20代前半の頃、半年に一度の検査のときに主治医に尋ねました。

私:「先生、B型肝炎って、治るんですか?」「今はキャリアですけど、ウイルスが消滅するとか、あるんですか?」

先生:「勝手に消滅することは、ほとんどないかな。。35歳になるまでに発病したら、インターフェロンを使ってそのウイルスを退治することはできるけど、40歳くらいを越えてから発病した場合は、ちょっとやっかいなんだよね」

私:「え?」

先生:「その場合は、肝炎から肝硬変になり、肝臓ガンになっちゃうんだよね」

私:(がーんっ!!)「ほ、他に有効な薬とか、ないんですか?」

先生:「今は、、ないね!(キッパリ)」

私:(ががーんっ!!)「発病しないまま一生を終えることってあるんですか?」

先生:「まず発病すると思う」

その時は、この人しか頼る人はいないという主治医の口から、希望的なことを一言でも聞きたかったのに、この会話だけで、人生でやりたいこととか、全部放棄したくなりました。

それでも気を取り直して、さらに私は尋ねてみました。

私:「人間には自然治癒力ってありますよね!頑張って免疫力をつけたら、ウイルスに打ち勝ちませんか?」

先生:「今は免疫力が弱くて、ウイルスを敵とみなしていないから発病しないでいる。だから下手に免疫力を付けたら、ウイルスを敵とみなして攻撃し始めるから発病しちゃうよ」

私:「は?!」

最後の一言で、この人を主治医とするのは止めよう!と決意しました。

免疫力を強めたら発病する。
免疫力が弱いままだと病弱なまま過ごすことになる。
先生の話だと、35歳までに発病させてしまった方が良いような気もするし。。

何この矛盾!!

絶対方法があるはず!
と思い始めたのです。

西洋医学は嫌いじゃないし、ひとまとめにはできないけど、「冷たい」というのがこの時の私の率直な感想。

これがきっかけで、西洋医学に頼りながらも、東洋医学の方へ関心が向いていったのでした。

健康に関することも良いとこ取りです。

温めたこんにゃくを肝臓の辺りに置いてみたり、お腹に半紙を置き、その上に辛子やにんにくのペースト状のものを塗ったりもしました。
さらに、足湯や半身浴、いわゆる温熱療法と言われるものはなんでもやってみました。

年に2回、春と秋の草をたくさん刈ってきて、酵素を自分で作って飲んでみました。

酵素を利用した断食療法もやってみたり、韓国に良い薬があると聞いて、めちゃめちゃ苦い「韓薬」を試してみたりもしました。

毎日100本の鍼を100日間打ち続けたこともあります。

ありとあらゆることをやってみました。

生きたい!
やりたいことがいっぱいある!
病気なんかに負けてたまるか!

その思いが強かったのだと思います。

だからアメリカと韓国への留学も実現させたし、結婚もし、子供にも恵まれました。

そうこうしているうちに、発病もしないまま、40歳を過ぎた2007年の1月頃。

微熱が続き、寝ても寝てもとても疲れやすいので、近くの病院に行って検査してみると、肝臓に関連する数値が以上に高くなっていたのです。

いよいよ肝炎が鎌首をもたげてきたのです。
そう、発病しちゃったのです、40歳を越えたところで。

私は、この時に決めたのでした。
これは、いわゆる「闘病」ではない。

病気もひっくるめて私の人生だし、私自身。
闘うのではなく、受け容れ、お付き合いしていく。

しかも母からもらった贈り物(Gift)。
これ以上悪くもさせないし、誰にもあげない。
ある意味、私の人生を豊かにしてくれる。

そう考えると、とても気持ちが楽になりました。

また幸いにも、
ちょうど、発病する前年にとても良い薬が開発されたのです。
B型肝炎ウイルスを死滅させてしまうことはできないけど、増殖を防ぎ、ほぼゼロに近づけていくという薬です。
つまり、基本的にはその薬を一日一錠摂取していれば、それ以上肝炎が悪化することはほとんどなく、肝硬変にも発展しないというのです。

完治していないので、まだまだお付き合いは続きますが、
今では肝臓の数値も、健常者と変わらないか、いいくらいです。
西洋医学にも東洋医学にも感謝!

人生、まだまだこれから先何があるかわかりませんが、まだ見ぬ未来を憂えても仕方ないし、過去を悔やんでも始まりませんよね。

今をどう生き、どう楽しむか。
こう考えながら過ごしていきたいと思う今日この頃。

母からもらった贈り物(Gift)

英語の「Gift」って「贈り物」という意味もありますが、
「特別の能力、天賦の才能、天資」という意味もあります。

病気も「特別の能力、天賦の才能、天資」と思って抱きしめながらいこうかなと!

今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。

さて、今日はこれから息子の少年野球。
未来に希望を抱きながら、応援しに行ってきまーす。


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2 thoughts on “母からもらった贈り物(Gift)

  1. 『病気もひっくるめて私の人生だし、私自身。闘うのではなく、受け容れ、お付き合いしていく。まだ見ぬ未来を憂えても仕方ないし、過去を悔やんでも始まりません。今をどう生き、どう楽しむか。』このような気持ちを常に持ち続けて、自分の目の前に起こることに対処していければ、必ず幸せな人生を与えられた命を全う出来ると思います。今晩はさなさんのブログに共感して、ゆっくりと自分を見つめ直す時間が持てました。ありがとうございました。

    1. 先生、コメントありがとうございます。

      「私」ってずーっと流れてきた歴史の結実として存在してるんだなぁって思うと、すごく愛おしくなるときがあるんです。
      病気とか、コンプレックスとか、ぜーんぶひっくるめて愛すべき存在と。。

      みなそれぞれの過去を持ってると同時に、無限大の明るい未来も持ってるんだなぁって考えたときに、こんなちっぽけで無力な自分でも、価値ある存在だと思えるんですよね。

      人は心の生き物なので、日々、環境や関係によって上がったり下がったりしますが、それさえも含めて大事にしていきたいなって思っています。

      いよいよ3月ですね。
      また一献、やりましょうね^^v

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