スティーブン・R・コヴィー著の『7つの習慣』(P14)に、「農場の法則」を説明する箇所があります。
人の成長や人間関係を農場の話で説明してあるのですが、農家のせがれとして育った私にとっては、当たり前の話なのに、大変新鮮かつ衝撃的にその内容を受け止めることとなりました。
何の夢も、目標も、計画性もなく、自分以外の他の何かに依存するという、場当たり的な人生を送っている自分がいることに気付いたのです。
40を超えてからそれに気付くのは、「遅すぎるよ〜」と突っ込まれそうですが、遅ればせながらも、その時が私にとっての【自覚】の始まりだったのかも知れません。
以前の投稿「信念を煥発するとは」でも書きましたが、自分の事ってわかっているようで実は案外わかってないもんなんですよね。
以下にその「農場の法則」の箇所を引用します。
農場で場当たり的な詰め込み主義で作業することの愚かさを考えたことがあるだろうか。ーー春に種蒔きを忘れ、夏には遊び惚けて、秋になってから収穫を得るために必死に頑張るーー。農場は自然のシステムである。必要な努めを果たし、作業を行わなければならない。蒔いたものしか刈り取ることはできない。そこには近道はない。
人の成長や人間関係においても、最終的にはこの原則が必ず作用することになる。つまり、人の成長も人間関係も自然のシステムであり、農場の法則が支配しているのである。
学校のような人工的な社会システムの中では、ゲームのルールを学べば、短期的にはごまかすことができるかもしれない。そしてまた、単発的、短期的な人間関係であれば、同じように個性主義を利用し、その人の趣味にあたかも興味があるふりをし、テクニックや殺し文句、流行のファッションなどを使い、良い印象を与えることは可能だろう。また、手っ取り早くそうしたテクニックや手法を身につけて、活用することもできるだろう。
しかし、長期的な人間関係においては、こうした二次的なものだけでは何ら永続的な価値を生み出すことはできない。あなたに本当の誠実さや人格の良さがなければ、人との関係において大きな問題に直面したとき、あなたの本当の動機が表面に表われ、その結果、人間関係が壊れ、それまで得ていた見せかけの「成功」を失ってしまうことになるだろう。
表面的な成功(才能などに対する社会的評価)に恵まれた人の中でも、こうした真の成功(優れた人格をもつこと)を達成していない人もいる。しかし、遅かれ早かれ、このことは、その人の持つ長期的な人間関係のすべてーー仕事仲間、夫・妻、友人、大きな悩みを抱えている子供などーーにおいて、表われてくるだろう。人格は、言葉よりもはるかに雄弁だからである。
これは誰もが知っていることである。私たちには、人格をよく知っているがために絶対的に信頼をおいている相手が必ず存在するはずだ。その人が雄弁であろうがなかろうが、人間関係のテクニックを知っていようがいまいが関係なく、私たちはその人を信頼して、一緒に働くことができる。
当然のことながら、何もしない草ぼうぼうの畑に野菜や果物の種を蒔いても、おいしい作物は収穫できません。
秋に実りを刈り取るために、春から目標を立て、実行に移していきます。
種を蒔く前にまず耕し、
その後、雑草を抜いたり、水をやったり、そして肥料も必要です。害虫にも注意しなければいけません。
丹精込めれば込めるほど、時が来れば、豊かな実りを刈り取ることができるようになっています。
人の成長(人格の成長)や人間関係も農業と全く同じで、一朝一夕にできるわけではないということです。
人の成長や人間関係だけでなく、ビジネスや学業、研究などにも当てはまります。
まず、
(1)秋にどんな実りがほしいのか→夢、目標、ほしい結果
(2)そのためには何を実行しなければならないのか→計画
(3)日々やるべきことの実行
(4)そして、収穫
農家はこの自然の法則、宇宙の法則に則って全く当たり前のようにそれをこなしています。
こんな単純なことなのですが、人生においても、人間関係においても、ビジネスにおいても、「秋に何を収穫したいのか」を明確にしないで、毎日が過ぎさってしまいがちです。
「秋に何を収穫したいのか」
「人生でほしい結果は何なのか」
「人間関係において、人格形成において、自分はどうありたいのか」
このことに気付いたとき、真剣に考え始めたとき、その時こそ人生の春です。
秋の豊かな大収穫に向けて、より具体的に大きなビジョンを描いていこう!
・・・と自分自身にも言い聞かせながら、、、