7つの豊かさ
夢、人、体、知、財、時、心のうち、
今回は、5つめの【財】の豊かさについて考察してみます。
「豊かさ」というと、私たちが最初に思い浮かべるのがやはり金銭的豊かさ、つまり【財】です。
実際にお金やモノがなければ人間生きていくことは難しいし、お金があれば夢に向かっての様々な可能性が広がります。
ただ、私たちは、お金だけを求める人がどんな結末になっていくかということも充分想像がつきます。
7つの豊かさの中でも、重要かつやっかいなのがこの【財】の豊かさです。
金銭的、物質的欲望自体は悪ではありません。
それ自体は本能として人間の備わっているもので、心の中からわき上がってくる感情であって、それを否定する必要はありません。
問題は、その【財】をどう手に入れるのか?
そして、手に入れてどうするのか?ということです。
【財】に限らず、なんでも同じですが…
たとえば身近な例として、「電気」は私たちの生活になくてはならないものになっています。
今、世界中の電気が一斉に止まってしまったらどうなるでしょう。
ちょっと想像してみたただけでも、恐ろしい状況になります。
それくらい電気は人類の生存を支える重要な役割を果たしています。
今こうしてブログを見ることができるのも、遠く離れた家族と携帯電話を使って話せるのも、電気を使った通信という技術があるからです。
(もし電気がなくなったら、こたつに入ってテレビ見ながらアメリカの弟家族ともスカイプできなくなっちゃいます)
ところが、この電気を悪用するとどうでしょう。
たとえば、ダイナマイトに電気仕掛けの時限装置を取り付けて、建物を吹き飛ばすこともできますし、長距離ミサイルを作って、戦争を始めることもできます。
こうして、便利な電気も、私たち人間がどう使うかによってまったく違う結果を引き寄せます。
電気と同じように、お金などの【財】は、あくまでより次元の高い豊かさを手に入れるための道具に過ぎないのです。
その道具を目的や最終目標としてしまったら大変なことになります。
そう考えると、【財】の豊かさを求めるときに、7番目の豊かさである【心】の豊かさが伴って初めてバランスがとれるのです。
過分な欲望や、悪なる【心】で【財】の所有を求めようとすると、それまで築き上げた【人】の豊かさまでも失う可能性もあります。
【財】は大きく3つに分類することができます。
(1)お金
(2)モノ
(3)土地
私たちが「大富豪」という言葉で連想するのは、上記のお金やモノ、土地をたくさん持っている人のことです。
何らかの形を財を手に入れても、それを世界の貧しい国や子供たちのため、あるいは科学技術発展のために惜しまず寄付している人たちは大勢います。
その人たちはさらにまた大きな財を手に入れ、それをまた貧しい人たちに分配しています。
そうすることによって、財の循環を促しているわけです。
お金の流れ、つまり経済は、人間の体ではよく血液の流れにたとえられます。
血液は人体の60兆個の細胞に血管を通って、糖という栄養分と酸素をくまなく運んでいます。
私たちの体の一部で、血の流れが止まったりしたらどうなるでしょう、栄養と酸素が来なくなった細胞はたちまち壊死してしまいます。
これとは逆に、がん細胞は自己中心に【財】をため込もうとします。
人体という調和のとれた有機体組織のルールに反し、無秩序に細胞分裂をはじめます。つまり、悪い仲間をどんどん増やし始めるわけです。
どんどん大きくなるがん細胞の固まりは、自らが血管を作り、ますます【財】をため込み、やがて大きな腫瘍になり、おまけに転移までしながら、最後には母体を死に追い込み、自らも母体とともに死んでいきます。
なんと矛盾した存在でしょう。
ここで、地球上の65億ともいわれる人々の集合体を一人の人体と考えてみます。
果たしてこの人類の血液循環システムがきちんと働いているでしょうか?
答えは「ノー」です。
栄養失調で毎日のように尊い命が亡くなっていく一方で、有り余る食物や物質の中で豊かに暮らす人々もいます。
貧しき者と富める者の差を縮めていくような【財】の循環がなされなければならないのが現状です。
人体で考えるなら、人類は病気どころか人の体(てい)をなしていないと言っても過言ではないでしょう。
上述したように、財をなした人たちの中で、心の豊かな人たちは、財団を設立し貧しい国の学校建設に投資したり、疫病撲滅のためのワクチンの開発などに投入しています。
私たちも豊かさを求めるならば、自分や家族だけの豊かさではなく、地球全体の豊かさを求めていきたいものです。
人は例外なく皆が豊かになれる資格を持っています。
だから、最初は自分を含め身近な人たちから幸せにしながら、最終的には世の中のためにという考え方がないとがん細胞になってしまします。
さて、ここでも是非自分自身の【財】リストを作ってみてください。
例えば、
・老後、夫婦でゆったり暮らせるだけの資金1000万を貯めておきたい!
・リタイヤしたあと財団を創るだけの資金がほしい!
・高級外車に乗りたい!
・ホームシアターセットが欲しい!
・広い敷地に大きなマイホームを建てたい!
・青少年育成のための研修所を造りたい!
などなど、次から次へと欲しい物が浮かんでくると思います。
ここでは全然飾る必要はありません。
思いつくままを書いてみることです。
右脳を働かせて、イメージを画いても良いでしょう。
欲しい車の写真を用意するのも良いかもしれません。
そして、なぜそれが欲しいのか?
その財を手に入れてどうするのか?
まで、具体的に書き留めておくとなお良いでしょう。
そうすることで、「私」という人が何を欲しているのか?人生をどうしたいのか?ということが浮かび上がってきます。
私も実際にこれをやってみて、「へぇ〜、そうだったんだぁ」と自分で自分のことに驚いたくらいです。
ありのままの自分をあぶり出すのが、この7つの豊かさのリスト作りの目的です。
サナギの期間の中でもこの7つの豊かさのリスト作りは、まだまだ想像(イマジネーション)の世界ですが、それをアウトプットすることによって、新しい自分を創造(クリエイト)するための設計図を作りあげるのに役立つのです。
ということで、次回は6つめの豊かさ【時】を考察したいと思います。
楽天の三木谷社長が「成功の法則」なかで
「お金は、本質的にはデジタル情報だ。人間の脳が
作り出した、ひとつの約束事でしかない」と言っています。
サナギさんのいう
その【財】をどう手に入れるのか?
そして、手に入れてどうするのか?
私のなかでは「心の豊かさ」を求めて
今少しずつ答えが明確になってきました。
ですから私にとって「7つの豊かさ」は形になることが楽しみです。
sunさん。
三木谷さんの引用ありがとうございます。
なるほど、「お金はデジタル情報」
一昨年のリーマンショックだって、デジタル上のマネーゲームだったんですよね。
結局は人って、心の生き物なんですね。
全てのものをイマジネーションで描きそれを創り出している。
お金も何かの目的のために便利だから創り出したんだけど、結局お金自体が目的になっちゃうから、悲惨な結果を招いてしまうんですよね。
つまり、人格、心の豊かさが伴わない人がその心のキャパシティ以上のお金を持っちゃうとおかしなことになるんってことですね。
結局は【心】の豊かさを求めていくということが私たち人間が求めるべき最終目的だと思います。
なくては困るけど、なくてもいい世の中になればいいなと思うのが「財」です。あるのだけれど、ないかのごとくに執着しない人の心、社会になればいいなと・・・
「財」の一つに「地位」というのも入るのかなと思います。先日、アフリカの方と話す機会がありました。もちろんアフリカから日本に来るくらいだから、その国の中では比較的経済的にも裕福で、牧師さんでした。孤児たちをお世話しているNPOも作っていらっしゃいました。ご家族のお土産にと子供たちにはスニーカーを、奥様には洋服をということになりましたが、赤道直下の国なのにあいにく日本は冬・・・夏物がありません。Tシャツなら半袖もあると思ったら、「牧師の妻はTシャツなんか着ません。ブラウスです」と言われびっくり! 日本のように経済が豊かになると、地位や学歴、財産で差別や偏見が出てきてしまうと考えがちでしたが、貧しい国の中でも、そして宗教の指導者であっても、変なプライドやこだわりがあるものだと感じました。あらためて人間というものは気づかぬうちに、「物」を心の主としてしまいがちな弱さを持っているものだと思いました。
その牧師さん、日本滞在中、観光中は気楽な格好で、必要時は牧師スタイルでだったそうですが、牧師用のカッターシャツはアイロンがけも他人には任せず、ご自分でとてもていねいにかけておられたとか・・・ご自分の職業に真剣にプライドをお持ちなのだと思います。
ケイさん。
なるほど、「地位!」
確かに人は地位に対する欲望がありますね。特に男は!
(^^ゞ
上へ上へと上っていきたいものですよね。
そしてその位置に執着もします。
ただ、地位は人が純粋に求める「豊かさ」に入るかな、とも思います。
でも、色んな意味で【財】とは?
というところを今一度深く考えてみたいと思います。
大変良い刺激をありがとうございます。
「なくては困るけど、なくてもいい世の中になればいいなと思うのが「財」」というのはおっしゃる通りですね。
物質主義に陥ると、人はそれに主管されてしまい、人格や愛情という心の部分が取り残されがちです。
今日、ソフトバンクの孫社長が、Twitterで「皆さんは、30年後の教育はどうあるべきだと思いますか?」と問いかけていました。
http://twitter.com/masason/status/8192604856
私はそれに対してすぐ返信してみたものの、はたと考えてみて、そういえば、まだまだ明確な内容がないなと思いました。
「真の豊かさとは」「教育とは」など、未来のためにみんなで創り上げていかなければならないですね。