数ヶ月前、『思考のすごい力』という書籍を読みました。
原題は『The Biology of Belief』、直訳すると「信念の生物学」とか「思考の生態学」といったところでしょうか。
著者は細胞生物学者で、ブルース・リプトンという人です。
その細胞生物学者が、細胞やDNA、はたまた量子力学の話から、子育て、潜在意識、そしてスピリチュアルな世界までを一冊の本にまとめてしまったのです。
私は大学時代に経営学を専攻し、企業の組織論に関する論文を書きました。
その当時から、企業や社会、そして国家の組織の理想的なあり方は、人体のすばらしい調和のとれた組織形態にヒントがあるはずだと考えていました。
あれから20年になりますが、この本と出会って、久々にその確信を深めた次第です。
人間や細胞のことをよく「小宇宙」と表現しますが、まさに宇宙を貫く法則があるとすれば、組織形態は同じ法則の中で成り立つのは当たり前と言えば当たり前ですよね。
こういう観点から、人間以外のものを小さな人間と見なして論ずることがあります。
たとえば細胞一つを一人間と見なしたときに、人間の脳に相当する部分は、今まで細胞核と思われていました。もちろん私も漠然とではありますが、そう考えてきました。
しかしここでは「細胞核は生殖腺であって、脳に相当する部分は他にあり、それは細胞膜である」と言い切っています。
これには度肝を抜かれました。
「え、細胞膜が脳!」
さらに、この学者はこうも言っています。
と。
この本の第五章「心が持っているすばらしい力」の最後では、マハトマ・ガンジーの言葉を引用して締めくくっています。
信念が変われば、思考も変わる
思考が変われば、言葉も変わる
言葉が変われば、行動も変わる
行動が変われば、習慣も変わる
習慣が変われば、人格も変わる
人格が変われば、運命も変わる
ちなみに英語は
Your beliefs become your thoughts
Your thoughts become your words
Your words become your actions
Your actions become your habits
Your habits become your values
Your values become your destiny
この本のキャッチコピーは、「信念は細胞を変え、人生を変える!」です。
心の持ち方で、人生も運命も、そして自分の健康状態すらも変わる!ということを本人の実体験を元に力説しています。
中村天風さんの「人生は心一つの置きどころ」に通ずるところがありますが、宗教指導者でも哲学者でも心理学者でもない細胞生物学者が言い切ったところに、この本のすごさがあると思います。